OEMという言葉を皆さんご存じであろうか。家電や自動車には多く存在しているもので、今回取り上げるOEMの意味合いを説明すれば、他社製品を自社ブランドとして販売すること、である。

さて、このコラムのご愛読者様なら私が何を言わんとしているか、もうお察しかもしれない。そう、SUBARUの軽自動車についてである。今でこそSUBARUはレガシィやインプレッサ、フォレスターなどが看板車であるが、360やサンバー、R1、R2、VIVIOなどなど歴史に名を残す軽自動車を輩出してきた、いわば軽自動車の名門ともいえるメーカーであった。

残念ながら昨年、軽自動車事業から撤退してしまったが、それはボクサーエンジンのSUBARUというブランドとしてそれを強力にする為の戦略なのだ、と個人的には寂しさをなんとかこらえながら飲み込んだ。その後はSUBARUから軽のイメージが無くなっていくのだろうなと感じていたが、今なおサンバー、プレオなどの名前がSUBARUにあるではないか。そう、これこそがOEMとやらである。あろうことか今までライバルであったクルマに六連星のエンブレムをはっつけて、元来の名前だけ残して売っているのである。

特にサンバーに関しては往年より引き継いできている歴史も相まって、業者ユーザーも個人オーナーもサンバーを支持している人は他のトランスポート主眼の軽自動車にしては非常に多い。SUBARUはそういったファン・・・いや、フリークを長い歴史の中で育ててきたのである。4気筒エンジンや独立懸架サス、RRレイアウト等々そこには誇れる特長が確かにあった。それなのに、他社製品にエンブレムだけ取り替えて販売する事は間違っていると思う。嫌悪感さえ抱くこの頃である。これは他社からみても同じ事がいえるだろうし、そもそものベース社を開発したメーカーのエンジニアも決して万歳という気分では無いことは想像に易い。

このことはサンバーのみならず、SUBARUの軽においてOEM車(OEMの本質はコスト削減にあり、企業戦略的に有利になることは理解しているし、海外で時には興味深いOEMも存在するのだが・・・)の存在する意味がわからない。何しろSUBARUはもう軽自動車は造らないと決めたのだから。現行でそこにある軽自動車はもうSUBARUのものではない。SUBARUの軽を買う人は、“SUBARUが造った”クルマだから買いに来るわけである。

それは他社でも基本的には変わらないはずだ。したがってある条件下以外で、特に日本の自動車メーカー内ではOEM車など存在する必要が無い。と私は考える。SUBARUが築いてきた素晴らしい軽自動車を濁すような真似はして欲しくないものである。

SUBARUの軽は、異彩を放った伝説として、輝いたまま、記憶に留めておこうでなないか・・・。


懐古主義のスバリストより