みなさんはSUBARU XVをご存じだろうか。ポップな外観とAWD×ボクサーエンジンの組み合わせでアウトドア派の心をくすぐる1台であるかと思う。わがままを言えばマニュアルトランスミッションの設定があればと非常に魅力的なクルマだとも感じてしまうが。

ではこれに追って登場したXV HYBRIDはご存じだろうか。SUBARU初のハイブリッドカーであり、エクステリアはその名の通りXVほぼ据え置き。ありがちな未来的なカラーのテールランプとHYBRIDの文字が刻まれた程度だ。もちろんパワートレインにはモーターが追加されており、それに伴うバッテリーなどのシステムは後方に配置されている――までは至って当然の話なのだが、SUBARU的におもしろいのはここからである。

SUBARU車の魅力でもある重量バランス。しかしハイブリッドカーやEVの宿命でもあるバッテリー搭載位置によって重量バランスが大きく変更されてしまう可能性は高い。そこでSUBARUのエンジニア達は、限られたスペースやパッケージングとのせめぎあいの中で何とかガソリン車と同等の重心高、前後重量配分を達成したそう――まではSUBARUならやりそうな事である。何にでも熱い彼らなら毎度それぐらい期待してしまう。

では今回このコラムでXVを取り上げた理由とは。それはXV HYBRIDのステアリングギア比にある。ステアリングギア比とは、簡単に説明すると手元のステアリングを回した角度と、実際にタイヤが回る角度の比である。例えばステアリングギア比1:1であれば、ハンドルを90°回すとタイヤも90°回るということである。一般的な比は15:1〜20:1であるらしく、ノーマルXVは15.8:1とごく一般的。実際に乗った感じも、クイック感は特に感じない。しかしXV HYBRIDはというとなんと14:1なのである。WRX STIやBRZが13:1であることからも、そのクイックさがお分かり頂けるだろう。こういった設計こそ、SUBARUが出した“SUBARU×HYBRID”としてのポジショニングの解であるのだろう。ハイブリッドと聞くとまだまだ“走り”からはかけ離れた印象が強いが、SUBARUブランドとしてHYBRIDをリリースしていく以上、“走り”のスピリットを期待せざるを得ないのが本心である。そんな本心にこれからのSUBARUが応えてくれることを切に願ってやまない。


懐古主義のスバリストより